LaLa Magazine
iPPEi ONOE LOVERATORY WEB MAGAZINE
2022.March 2nd issue
先月より始まりました尾上一平によるオンラインサロン「iPPEi ONOE LOVERATORY」の一般公開WEBマガジン「LaLa Magazine」。今月は先月に引き続き、サロンの主催者である尾上一平さんへのインタビュー<後編>をお届けしたいと思います。
iPPEi ONOE Interview Latter half
場所/東京・千駄木Petticoat Lane 聞き手/和山聖恵
1年間オンラインサロンを運営して感じたことを漢字一文字で表現すると「激」ということでしたよね。
はい、「激務」と「感激」です。
前回は「激務」の方について色々とお聞きしたので今回は「感激」についてお話ししていただけますか?
ちょっと長くなるけど良いですか?
もちろんです(笑)
1860年頃のドイツ帝国の政治家「ビスマルク」の「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という有名な言葉があるんです。僕は典型的な「経験から学ぶ」タイプだったのでインプットの量より圧倒的にアウトプットの量が多くて、学ぶより先に行動派だったんです。だから沢山沢山失敗してきました。説明書を読まない典型的なタイプっすね。説明書ってすごいんですよ、いかに失敗せずに最短距離でその機能を有効に使えるかという方法を教えてくれるんです(笑)
知ってます(笑)
でも、小さい文字でごちゃごちゃ書いてある説明書とか全然読む気しないので、読まずに行動しちゃう。で、トライ&エラーを死ぬほど繰り返して遠回りしながら必死こいて積み上げてく、とても要領の悪いタイプ。音楽もデザインも映像もイベント演出もほぼ独学なんです。唯一広告デザインの学校には行ったけど中退しちゃったし。
ほぼ独学で色々と乗り越えて積み上げてきたって、それはそれで凄いですけど(笑)
割とガッツだけでなんとか成るんだな、って(笑)アイドル運動会でいうところのトシちゃん(田原俊彦)よりもマッチ(近藤真彦)のタイプ。技術を気持ちでカバーする(笑)
サロンのコラムなどで「気持ちがあれば技術は後からついてくる。
技術なんて「オマケ」みたいなものだ」と書かれてますよね。
そうそう、技術的なスキルはどんな人も時間を重ねれば勝手に身に付く。だから何より大事なのはキモチだぜ!ってポリシーは今も昔も変わらない。ただ、キモチだけだとやっぱりめちゃ遠回りするし、失敗もいっぱいする。「失敗することこそが成功の鍵だ、だからどんどん失敗しろ!かわいい子には旅をさせろ」的な名言沢山あって、失敗することは美学っぽく語られるけど失敗にも種類があると思うんです。
失敗の種類ですか?
「必要な失敗」と「不必要な失敗」があると思うんです。手ぶらで登山に挑戦する失敗と、ちゃんと登山グッズを準備して挑戦する失敗は種類が違うでしょ?
それは確かに大きな違いですね。
キモチだけで挑戦するより、準備をきちんとしてから挑戦した方が「しなくて良い失敗」が防げる、ってことに57歳でやっと気づいたんです。
割と遅めですね(笑)
かなり遅いですよね(笑)僕、今の自分の生活ってまぁまぁ面白いと思えてるんです。それって過去の経験から形成されてるものですよね。だからと言って過去に起きたことが全てOKじゃなくて、過去を冷静にジャッジすると「防げた失敗」っていっぱいあったなって思ったんですね。
なるほど、そのために「説明書を読む」ことが大切ってことですね。
そうなんですよ!!「賢者は歴史に学ぶ」です。何かにチャレンジする前に「過去から学ぶ、インプットする」ってことをすごく大事にしよう、って思ったんですね。ありがたいことにこのご時世、細かい字で埋め尽くされた説明書を、要約して映像で説明してくれる親切な人が唸るほどいるんです(笑)
YouTubeですね!
そうそう、インターネット、YouTube!実にわかりやすくスピーディーに教えてくれる。孔子の論語を読む気にはなれないけど、その重要なポイントをインターネットがサクッと教えてくれるんですよ!中田敦彦のYouTube大学とか最高です(笑)
わかりやすいし面白いですよね!
過去から学んだり準備をきちんとすると、視座視点が高くなって遠くを見渡せるようになるんです。暗闇で電気も点けずに走るときっと怪我しますよね。でも懐中電灯持ってたら怪我の確率下がりますよね。クルマに乗っていてハイビーム点灯したら遠くまで見渡せるようになりますよね。だから準備して視座視点を高くして「視界を確保する」ってめちゃ大事だと思うんです。で、沢山インプットすると自分の過去や現状に対して腑に落ちることが沢山見つかる。何故上手く行って、何故失敗したのかがわかるんです。なのでここのところ尾上一平、まるで3歳児のように発見しまくり(笑)
随分若返りましたね(笑)
知識もアンチエイジングになるね(笑)
どんどんインプットすると、どんどんアウトプットしたくなりませんか?
なるなる!知識を得ると挑戦したくなりますよね。手ぶらで山に登ろうって時よりはるかにチャレンジしたくなる。なので結果的にインプットとアウトプットの均整が取れるんです。
なるほど。
あまり誇れるような生き方はしてこなかった。でも沢山失敗して、遠回りして結果的に好きなことを仕事にできてた。これは誇れる。インプットの量を増やしたことによってその理由が鮮明になった。そのノウハウを「好きをカタチにしたい、好きなことでマネタイズしたい」と思っている人たちにアウトプットしたい、って思うようになったんです。スキをカタチにしてワクワクする毎日を楽しむ、そんな人たちが沢山増えるといいなぁ、そして一緒にクリエイトできる仲間が増えるといいなぁ、と思ってこのオンラインサロンを立ち上げました。
サロン内のラジオやコラムでも、どうやったら好きなことをカタチにできるか?
やりたいことを実現できるか、という視点で沢山話されてますよね。
大事なのは始めること。0を1にしないと何も始まらない。だから始めるためのキモチや脳をクリエイトする、という観点で話しています。キモチが高まれば始めることが出来て、成果が出れば継続することができる。そして気がついたらスキルが身についてる。ちゃんと結果として現れる。
昨年の年末にこのオンラインサロンの運営で開催された「蜜月関係ビューイングパーティー」ではメンバーの方が飲食店を会場でオープンしたり、メンバー制作の映像作品が上映されたりしていましたね。それも「スキをカタチにした」ということですよね。
そうですね。「蜜月関係ビューイングパーティー」はもともと僕のYouTubeチャンネルのコンテンツ「へやうた」をみんなで映画館で見よう!ってとこから始まったんだけど、それをわざわざこのサロンでやる意味ってあるのかな、って思ったんですね。で、突き詰めていったらなんか「変態」ってキーワードにたどり着いちゃって(笑)
イベント全体のキーワードが「愛のある変態行為は素晴らしい」というテーマになってましたね(笑)
イベント運営メンバーとのブレストで、変態っぽいマニアックな会場探そう、変態はいかに素晴らしいかの講義をしよう、一切電気を通さない完全アンプラグドライブをやってみよう、とか「イベントの始まりがランチってどう?」って提案したら「じゃあ蜜月弁当作りましょう」とか「じゃあイベント終わりはバータイムにして蜜月カクテル作ろう」なんて話がどんどん膨らんでいって。で、調理師免許持ってるメンバーにお店運営してみない?って提案したら二人とも「やるつもりでいました」(笑)最高だな、って思いました。
お弁当もカクテルもすごく美味しかったですし、バータイムも楽しかったです。
で、もっとサロンメンバーの参加できるイベントにしたいな、って思い「僕がディレクションするので映像作品作って映画館で上映しませんか?」って声かけたら勇気ある3名が名乗りを挙げて。そこから何度も何度もやり取りして約10分の作品が3本生まれました。
とても感動しました。
最初は酷かったんだよ、3人とも(笑)どうしようかと思った(笑)
(笑)
そしてイベントのプロジェクトリーダー、僕の秘書やスタッフも全員サロンメンバーで、みんなのイベントに対するこだわりや関わり方には本当に感激しました。
感激のキーワードにやっとたどり着きましたね(笑)
遠回りした(笑)
実は私も1日秘書をやらせていただいたのですが、蜜月弁当を詰めたりポスターを貼ったり、一平さんがどうしたら動きやすいかなど考えながら動くのはとても楽しかったです。やっぱり私も人に喜ばれる仕事が好きなんだな〜と思いました。
イベントの主催は僕が代表を務めるSTUDIO MANOMANAだったので、イベントを経営視点で捉えちゃうんですね。そんな僕の想いをいい意味ですっ飛ばして「1mmでも面白いイベントにしたい!」「ご来場くださるお客さまに細部まで楽しんでもらいたい」って気持ちを参加メンバーから強く感じました。そのみんなが作り出したキモチってちゃんとお客さまにも届くんだよね。イベント本番ではスタッフ、演者、お客さまとの心地良い一体感があって、最後はお客さまも搬出手伝ってくれてました(笑)すごく感動しました。
経営視点と情熱のバランスを取るのは難しいですか?
難しいです。僕は新人社長なので。今までなかったことにチャレンジするって理解してもらうのに時間がかかるので、今回は、短期の経営結果を求めずに長期的な視座視点を持とう、とにかく山に登り切ることを最大のテーマにしようと決めました。その結果、頂上でみんなと一緒に見た景色はとても美しかったです。ただ、美しかったけど僕が見たかった景色じゃなかったんですね。僕が見たいのはもっと高い山の頂きから見る景色なんだな、ってことに気づきました。そしてきっと、この仲間達とエベレスト級の高い山、登れちゃうんだろうな、そして、僕が本当に見たかった景色を一緒に見るんだろうな、って思いました。この仲間とまた挑戦したいというキモチが、このイベントを通じての一番の収穫だったと思います。
高い山への挑戦は大変そうですね。
超超超超大変だと思います。
でもなんだか楽しそう!
楽しみしかないです。楽しいところに人は集まるからどんどん仲間も沢山増えてく。
スキをカタチにする、って挑戦は、そうゆうことなんですよね。
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iPPEi ONOE/Profile
1986年、広告制作会社にてグラフィックデザイナーとして数々の広告を制作。1989年、BAND EXPLOSION '89 WORLD FINAL IN JAPAN 世界大会に出場。日本武道館のステージに立つ。1992年、E NIGHT のヴォーカル・コンポーザ-としてメジャーデビュー。1996年、音楽作家の活動をスタート。1997年、E NIGHT 解散後、米米CLUBのリョージ、得能律郎と「JUNGAPOP」結成。1998年、映像クリエーターとしての活動をスタート。2000年、クリエィティブ集団、STUDIO MANOMANAを立ち上げる。2012年、布施明のプロデュースチームにクリエィティブディレクターとして参加。2021年オンラインサロンを立ち上げる。同年、合同会社Studio Manomana設立。
>> iPPEi ONOE Official Site
編集後記/和山聖恵
今回のインタビューを通して私もサロンで感激すること、人に喜ばれることを作っていきたいと思いました。私は人と話すことが好きなので、色々な人と関わり合いながらララマガジンを楽しく作っていきたいです。オンラインサロン、ララマガジンでスキをカタチに!したいと思います。