その6「クビ」
俺が受ける抗がん剤治療は2パターン。
<アービタックス>
静脈から点滴によって投与。
投与時間は初回が2時間程度、2回目以降1時間程度。
アレルギーの予防薬を投与してからアービタックス投与
これを外来で2週間置きに1クール(1ヶ月)
<エルプラット・FOLFOX療法>
静脈から点滴によって投与。
「吐き気止め・30分」
↓
「エルプラット、レボホリナート・2時間」
↓
「5-FU・22時間」
↓
「レボホリナート・2時間」
↓
「5-FU・22時間」
投与時間は48時間30分なので
投与するために入院します。
これを2週間置きに2クール(2ヶ月)
但し効かなかったら継続します。
10月25日から29日(3泊4日の入院)
エルプラット・FOLFOX療法の為、入院。
まずは「腕」から静脈にカテーテルを入れるんだけど
俺の静脈は細くてクネクネしてるらしく入れるのに苦労してた。
カテーテルを入れるのは主治医の先生じゃなくて二人組の助手の先生。
助手A「カテーテル入らない、上手く入らないなぁ」
助手B「これ入らないとクビだな」
まじか、俺の静脈が細いせいで、上手く入らないと
この先生達クビになるのかぁ、、申し訳ないなー、って思ってさ。
でも時間かかったけどなんとか入った。
「入ってよかったっす!俺のせいでクビって申し訳ないし」
って言ったら
「??」
みたいな空気が一瞬流れて
「いやいや、入らなかったら僕らがクビになるんじゃなくて
尾上さんのカテーテルを入れる場所が首になるってことですよ」
あー勘違い、、アンジャッシュか!
笑っといたけど、めちゃ恥ずかしかったww
で、病室に戻ってベッドに横たわってると
宇宙服みたいな完全防備の看護師が来て抗がん剤投与開始。
そんなにーーーーーー、つーくらい防備するよww
48時間投与を続け、終わったら退院。
検査もほぼないし、基本めちゃ退屈です。
11月2日
外来にてアービタックスを投与。
2時間投与して帰ります。
入院や外来以外の日は
仕事もOKだったので制作関係の仕事は割としっかりやりました。
適度な運動も必要ということで彼女と2人で早朝散歩もしました。
食事もオーガニック系、シャンプーやリンスもオーガニック系、
全て彼女がコントロールしてくれたし、健康の水を良治アニキが定期的に送ってくれて本当に助かりました。
ストーマのケアもこの頃は彼女がしてくれてたんだけどトラブル続きだった。
ストーマから排便する時は便意がないんだよね。
最初のうちは便がいつ出るかよくわからない。
だからお風呂でストーマ洗ってる時に出ちゃったり
お風呂上がりのケアしてる時に出ちゃったりもあった。
肌もまだただれてたしストーマの大きさも安定しないから
ストーマ装具の穴の調整も難しかった。
ストーマと装具の穴がぴったりじゃないと
ウンチが肌にくっついて肌がもっとただれるの。
ただ俺のストーマの位置は「横行結腸ストーマ」だったので
便が柔らかいのが救いだった。
感覚的には便意もないし自分のウンチ、というよりも
赤ちゃんのウンチを処理してるみたいな感覚だった。
オシメ変えるみたいな。
子供いないからわからないけどww
副作用はね、徐々に出始めた。
まず症状に現れたのが「骨髄抑制」
骨髄の働きが低下している状態で、赤血球、白血球、および血小板の数が減少する。
それによって貧血や出血が起こるんだけど、自分でもショックだったのが
お風呂から上がって体を拭こうと思った瞬間、貧血で意識が飛んで倒れたの。
彼女がいたので飛んで来て助けてくれたんだけど
肩と腕を強打したのがめちゃ痛くて、次の日「整形外科クリニック」に行った。
幸い骨に異常はなく打撲程度だったのでちょっと安心。
でも本当にショックだった。
この頃からわかり始めるんだよね
最初に森山先生が言った「頑張りましょう」の意味が。
そう思える要素がさ、どんどん増えてくんだよね。
つづく