top of page
iPPEi ONOE

その3「治療方針」


2017年9月28日「虎ノ門病院 分院」

緊張の面持ちで診察室の扉を開く。

主治医となる森山先生が僕に告げる。

「癌です。S字結腸癌ですね。

 腫瘍が大きく腸閉塞寸前ですので

 すぐに入院してください。

 今日から入院できますか?」

あっさり告げるなー、って感じたくらいで

さほどショックもなかった。

「あぁ、やっぱりな」って感じ。

診察室を出て付き添ってくれてた彼女に告げる。

「癌だって」

彼女は平然に見えたけど

後々聞いたら泣くのを一生懸命我慢したって言ってた。

頑張って気丈に振舞ってくれていたんだよね。

一度帰宅。

彼女が入院の準備をほぼしてくれた。

入院手続きも彼女がしてくれた。

とても心強かった。

再び病院へ。

病室は「406号室」

ちょっと惜しいな、って思った(笑)

しばらくすると森山先生に呼ばれ

治療方針を聞いた。

病名 S状結腸イレウス S状結腸癌

進行 ステージ2〜4

結腸癌は切除不能な段階まで進行している。

現状腸閉塞寸前で食事を口から取れなくなるので

人工肛門をお腹に増設する腹腔鏡下手術をする。

後に化学療法(抗がん剤治療)で腫瘍を小さくして切除。

それから再発しないように術後補助化学療法をして

問題なければ人工肛門を閉じる手術をする。

先生のプランでは上手くいけば7ヶ月後の4月くらいには治療が終わる。

ただあくまでも予測。

だって抗がん剤が効くかどうかもわからないし

効いたとしてもその期間も予測できない。

入院時の僕の腫瘍マーカーの数値は48.0ng/ml

基準値は5.0ng/ml以下なのでめっちゃ高い。

この数値がある程度の目安になるんだけど

数値を下げるのになんだかすごく時間がかかるような気もした。

「抗がん剤が効かなければ死ぬ可能性ありますか?」

これ、聞けなかった。

やっぱ怖くてね。

でも、肝はまーまー座ってたと思う。

恐怖はあったけど

「まぁ、死ぬってなったら、余命を目一杯楽しく生きよう」

とかって思ってたし。

悩んだり後悔したってしようがないもんね。

だから前向きに考えるようにしてた。

「治療頑張りましょう!」

先生がそう言った時、意味わかんなかったんだよね。 頑張る??頑張るの俺じゃないし、先生だし、って思ってた。

のちにその「頑張る」の意味を知るんだけどね。

そこからネットでめちゃ大腸癌と人工肛門について調べた。

いろんな人のブログ見たなー。

偶然にも大腸癌ステージ4の抗がん剤治療を「虎ノ門病院 分院」で経験した人がいて

その人が出版した癌についての本を彼女が買ってきてくれたので読み漁った。

癌に何が良くて何が悪いか、も調べまくった。

調べれば調べるほど

そりゃ日本人、癌になるわな。

って思った。食に大きな問題あり。

普通に生活してるだけで癌になる。

だから「生活習慣病」なんだな。

よく政府はほったらかしにしてるなー

これも利権かー、って思ったな。

先進国で癌が原因で亡くなる人が増え続けてる唯一の国が日本。

他の先進国は癌で死ぬ人、減り続けてるんだって。

日本も2006年に癌対策基本法が誕生してるんだけど

もっと「食」に対しての対策をすればいいのにな、って思う。

手術前日の10月2日

全身麻酔の手術は初めてだし

つか手術自体初めてで

麻酔効かない人もいる、なんて聞いたこともあったのでちょっと不安だったけど

割と落ち着いてたし睡眠もちゃんと取れた。

そして人工肛門増設手術の日を迎えたのです。

つづく

閲覧数:215回
特集記事
最新記事
アーカイブ
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page